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Essay:箸やすめコーナー・各界の方の連載エッセイです。

地の塩食菜くらぶエッセイ 小泉 進/ちゃんこと相撲番記者
ちゃんこと相撲番記者
写真も、たまには間違えることがあります

 
 仲間と元力士が包丁を握る店でちゃんこ鍋を囲みました。お相撲さん
の世界では鍋料理だけでなくほかの料理もちゃんこと呼んでいます。
ちゃんこの語源は、巡業の際に使った中華鍋の一種、チャンクオから
きた、肉や野菜を雑多に煮込む長崎のチャンポンが変化した、
江戸ッ子が父親をチャンと呼ぶように、年長の料理番を尊敬をこめて
呼んだところからきたなど諸説がありますが、一般にはちゃんこ鍋を
意味しています。

 
仲間の一人が「関取経験者より、幕下以下の下積みで終わった方が味がよい」と、言い出し
ました。ちゃんこ料理は幕下以下三段目、序二段、序の口などが担当します。強いものだけが
出世の階段を上がる実力社会です。後輩に次々抜かれて料理を作るだけで終わった連中の方が
経験を積んでいるだけに旨いのは当たり前かもしれませんが、彼にいわせると、関取の夢を果
たせなかった脱落者の悲哀が鍋にこもっているから、一味違うのだといいます。ちょうど銚子
のお代りを運んできた大男が苦い笑いを浮かべていました。

 相撲部屋では、朝稽古が終ると朝昼兼用の食事が始まります。最初に食べるのは親方や客人、
上位の関取で、この後番付順に食事をします。この時に親方と並んで食事ができるようになっ
たら相撲番記者として一人前になったといわれました。まだテレビが普及せず、ラジオの実況
放送を聞き、翌朝の新聞で勝敗や観戦記を読み、ひいきの力士の動向に一喜一憂していたころ
の話です。
 閉鎖的な相撲社会です。若手が取材に行っても、すぐには相手にしてくれません。各部屋を
回り、顔なじみになりながら、重い口を開かせていきます。朝稽古につきあい、巡業先にも出
かけて力士一人ひとりの得意技や性格をつかみ、相撲に関する知識を積み重ねて、初めて読者
を満足させる記事を書くことができます。親方や力士と腹を割った会話ができるまでには年期
がかかります。

 最近は、お相撲さんもよくしゃべるようになりました。試合直後のインタビューでも、荒い
息をはきながら取り口の模様や感想を話してくれます。しかし以前は違いました。おじゃべり
な力士は軽くみられ、寡黙が美徳とされていました。だから面白い話が聞けるのはまれでした。
横綱や大関を破る金星をあげた力士を記者たちが囲んで話を聞こうとします。でも、本人は激
闘を終わったばかりで息をはずませ、金星の興奮もあって満足に口もきけない状態です。おま
けに普段から無口とあっては、まともな言葉を期待するのは無理です。

 そこで、「得意の左四つになった時は、しめた、と思っただろう」などと記事になりそうな質
問をしながら相手の反応を見ます。ベテラン記者になると、相手が荒い息で「ハア、ハア」と
3回うなずいただけで50行の原稿を書くことができたといわれています。後で新聞を読んだ
本人が「うまい話をしている」と、自分の“談話”に感心したそうです。
 相撲番記者は、親方や関取から尊敬され、信頼を受けると、朝稽古の後も上座でちゃんこを
食べることになります。長年ちゃんことの付き合いで下腹がせり出したベテラン記者は、相撲
の生き字引を自称、運動部の中でも一目置かれていました。自分の原稿には絶対的な自信を持
ち、ミスがあってもなかなか認めようとしない頑固な人もいたらしいです。

 そんなベテランの記事が問題になったことがありました。「激しい寄りを土俵際でこらえ、起
死回生のうっちゃりが決まったかに見えたが、惜しくもその前に左のかかとが土俵を割ってい
た」とのくだりです。他社の新聞を見ると右足が土俵を割った写真が載っています。
 ふたつの新聞を見比べた編集幹部が「写真をみると右足が出ているようだが」と指摘すると、
ベテラン記者は「私の目では、確かに左足が出ていた」と反論して、続けた次のひと言が語り
継がれてきました。
 「写真も、たまには間違えることがあります」 

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