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Essay:箸やすめコーナー・各界の方の連載エッセイです。

山下公輔の食の記憶〜あの国で食べたもの この国で食べたもの/世界の食べ物 その2:イラク編
世界の食べ物 その2:イラク編
イラクの食べ物

 その1のブラジルから大きく飛んで、今度は中近東のイラクに戻って見よう。
 イラクの首都バグダッドには、1980年から84年までの4年間駐在した。折から、一次オイルショック後の原油高騰による外貨収入を活かした国づくりの真最中で、日本や欧州の建設会社が多数進出し、バグダッドはもとより国のいたる所で、住宅、学校、病院、道路等々建設の槌音が響きわたっていた。
 政治的には、前年にバース党独裁政権の二代目大統領としてサダム・フセインが登場した直後であり、独裁国家独特の息苦しさはあるものの、湾岸戦争からフセイン政権の末期、更に最近に至るまでのこの国の不安定な状況と比べれば、格段に安定した政治経済の状態であった。駐在が始まって半年後に、ホメイニ師率いる革命政権下の隣国イランが突然首都を空襲し、イラン・イラク戦争(イライラ戦争)が勃発するなどの波乱もあったが、バグダッドの中心部の再開発という大型プロジェクトに参画した4年間は、色々な意味で得がたい経験であった。
 当時のバクダッドは、建設ブームで各国の技術者や労働者がひしめき、住宅の確保もままならず、我々は現場の近くに寮を建設し全員が単身赴任の合宿生活であった。普段の食事は宿舎で日本人コックの指揮の下、バングラデシュ人が作る和洋華折衷のごく普通の寮の食事だったが、休日に街に出かけての外食や、機会は少ないながら地元の人に招待されての現地料理など、食べものについての経験も興味も増えてきた時期でもあった。

フォンタナ・デ・トレビ

 そんなイラクでの食のエピソードの最初は、肩透かしのようだがスパゲティー話である。
 摂氏50度を越える暑さの夏は別として、単身赴任の週末(この国では、イスラム暦で金曜が安息日である)の過ごし方の一つが、散歩かたがた街に出てスーク(市場)をのぞいたりして時間をつぶすことだった。赴任後間もなくの仲間とのそんな散歩の途中で、表通りから少し入った住宅街の一角に“フォンタナ・デ・トレビ”という一見しゃれた佇まいのレストランを見つけて入った。
 店の内部の様子は良く覚えていないが、バグダッドのイメージとは違いまさにイタリアレストラン風の店だったように思う。メニューも、前菜からパスタ、メインともっともらしく一通り並んでいたように記憶する。それ程苦労せずにメニュー選びができたので、多分英語のメニューだったのだろう。初めてでもあり、ごく無難にサラミやピクルスなどの前菜の盛り合わせと、パスタとして友人がクリームソース系のスパゲティー、私はトマトソース系のスパゲティーを注文した。
 前菜は、特にいうべきことも無い。そもそもサラミやソーセージはどこかからの輸入品であろうし、元々この国にも野菜の酢漬けは存在しており、多分自家製であろうピクルスは、まあ悪くないものだった。
 そしてスパゲティー。ほぼ同時にフォークをとり一口食べた私たちは、思わず目を見合わせた。味はけっして悪いものではない。だが、なにしろやわらかい 。一応フォークで巻き取ることはできたが、噛んでみると歯なんか無くても噛めてしまえる柔らかさ。パスタの茹で加減はと云えばアルデンテというのは、いまや家庭でも当たり前だが、多分この“フォンタナ・デ・トレビ”のコックはそんなことは知らなかったのであろう。そもそも、知っていればこんなスパゲティーを出すわけが無い。弱ったな、どうしようかとは思ったが、消化のためにはこれに限る、などと負け惜しみを言いながらなんとか食べ終えて、さっさと店を後にした。
 爾来、スパゲティーを食べるたびに、時々この“フォンタナ・デ・トレビ”を思い出す。だがよく考えてみると、外資系高級ホテルのレストランはともかく、どんな国でも街角の外国料理(地元料理以外と云う意味)の店に入るときは、過剰な期待はすべきではないのが常識かもしれない。めったに行かないが、海外での日本料理がまさにその通りである。どこの国籍かは知る由も無いが、思えば“フォンタナ・デ・トレビ”のコックもそれなりに苦労していたのだろう。

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