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Essay:箸やすめコーナー・各界の方の連載エッセイです。

食菜くらぶの仲間たち/和菓子が気になるきっかけになった本
和菓子が気になるきっかけになった本
最近、和菓子のことが気になりました


 坂本司 著「和菓子のアン」(光文社文庫)

 愚妹から和菓子のことで参考になるかもしれないからとこの本を渡されました。NHKの「美の壺」という番組で金澤の和菓子の特集を見たばかりだったので、和菓子について気になっていて、興味深く読みました。同時に和菓子、特に上生菓子が一般の方はどの位食べているのだろうかと気になり、百貨店を歩いて様子を見てきました。

 この「和菓子のアン」のストーリーは何の変哲もない高校を卒業したばかりの女の子が、和菓子屋さんでアルバイトを始める話ですが、和菓子、特に上生菓子は職人さんの腕と知識が試されるものです。この本を読むと、日本のお菓子には意味を込めて作るのだということを改めて認識させられます。
テレビ番組「美の壺」でもありましたが、お茶会のお菓子は、お茶会の亭主のテーマと意向を受けた職人は、素材の組み合わせ、色と形で意向に添ったお菓子に作り上げます。俳句の季語のように季節やテーマをお菓子で表しますので、俳句や百人一首、故事来歴などの素養が求められます。そのように和菓子職人は技術だけでなく、教養が求められます。

 ケーキをよくいただきますが、最近、上生菓子を食べる機会はほとんどないような気がします。桜餅や大福、おはぎなど、庶民のおやつのような餅菓子はよくいただきますが、上生菓子など、いつ食べたか覚えてない位に、最近はあまり口にすることがなかったような気がします。この本から、「和菓子は日本の文化だ!」と強く思い、洋菓子ばかりに目を奪われていたことに、すまない気になりました。

 以前、私がお世話になった弁護士の先生から有名な和菓子屋さんの大きな、子どもの頭くらいの大きさのお饅頭をいただいたことがありました。そのお饅頭を切ると、たくさんのあんこの中に小さな赤や白、緑、黄色などの綺麗な色のお饅頭が埋もれていて、切るとそれがあんこの中にいろいろな色の水玉模様のような小さなお饅頭が点在している、綺麗なお饅頭でした。先生はその和菓子屋さんの顧問弁護士でしたので、お饅頭が届き、たまたま居合わせた私も頂戴したのでした。このような職人さんの技術を絶やさないように、老舗は、時々作る機会を作っているということでした。上生菓子もお饅頭もケーキほどにはいただかなくなってしまったことを反省しました。

上生菓子がデパートにあるか歩いてみました


 この本がきっかけになって上生菓子のことを少し調べてみました。近くにあるデパートをめぐり、どのような老舗が売っているのか銀座、日本橋、新宿の百貨店のお菓子売り場を歩きましたが上生菓子を売っているのは、大きな百貨店でも1店から3店で、しかもそこに置いてあるお菓子はかなり少量でした。京都や近江八幡から毎朝届くが、数量は限定されているので、ご常連さんですぐ売り切れになってしまうという話もありました。とらやでも、上生菓子を置いてあるのは伊勢丹だけでした。どの店舗も2週間位で商品内容は変わっています。

銀座 三越・・・・鶴屋吉信    日本橋 三越・・・・鶴屋吉信、 たねや     
銀座 松屋・・・・塩瀬      日本橋 高島屋・・・・鶴屋吉信、塩瀬

新宿 伊勢丹・・・とらや、鶴屋吉信、老松

 上生菓子はさまざまな意味合いを込めて作っているので、そのお菓子の説明する解説書を頼むと下さいます。解説書のない店舗は1店だけでした。解説の例は次の通りです。

 たねやの説明:
「遠山霞」こし餡、こなし製
    “霞たつ彼方の山もほのぼのと”
     萌える若葉に山桜。にぎわう里山のいろどりを霞があわあわとつつみ     ます。こなしであらわす春の景色です。

 鶴屋吉信の説明:
     「花ごこち」焼皮製、こし餡
     桜の花も咲きだしたここちよい春の情景。

 とらやの説明:  
   「水山吹」薯蕷製                                      
   山吹は晩春に鮮やかな黄色の花を咲かせます。水辺に咲くことが多く、京   都の井出の玉川などが名所として知られていました。上下の黄色い薯蕷製   は咲き乱れる山吹を、中段の黒い羊羹製は川の清き流れを思わせます。  

 デパートで賑わっている和菓子は上生菓子より桜餅や大福、草餅といった餅菓子系で上生菓子はマイナーのようです。しかし、そのバックグラウンド、歴史や文化的な意味合いを思うと、しみじみと味わいたいものです。日本の伝統文化の一つとして大切にして伝承していきたいものの一つだと思いました。

 ところで老舗和菓子屋がいつから現在の店があるのかを調べましたら、一番古いのは、 塩瀬で1349年、その次が駿河屋が1461年、とらやは1586年と資料にありました。
 それぞれの老舗でその記録が脈々と続いていることが素晴らしいと思いましたが、現代人の好みはだんだん変わってきて、同じ味や形では生き残れないということが、このデパートでの売場に置かれている数量の少なさから伺われます。
 お抹茶と上生菓子は合います。そういった複合的にいただき方も伝わっていかないと上生菓子は消えていくと思いました。金沢では茶道が盛んで、同時でお菓子をいただく文化も根強いそうです。日本の文化としてこれを後世に伝えていきたいと思いました。                                                          (杉本記)
                                       

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