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Essay:箸やすめコーナー・各界の方の連載エッセイです。

南三陸だより/ドキュメンタリー映画 『波田谷に生きる人びと』
ドキュメンタリー映画 『波田谷に生きる人びと』
震災前の波田谷の暮らしぶり

 

震災直後から理髪のカットボランテイアで、南三陸に通い続けた古里由夫さんのご紹介で、今年の始めに我妻和樹監督にお会いしました。我妻監督は、震災前から調査研究で南三陸波田谷に通い、その記録を取り続けていましたが、震災後そのショックからしばらくうつ状態になったそうです。それまで親しくしていた人達の生活ががらりと変わり、親しい人が亡くなり、とても平静な気持ちになれなかったと語っていました。

 我々が知っているのは震災後ですが、その前からの繋がりを知っている人にとっては、この映画をカタチにするのは随分と葛藤があったのではないかと想像しました。でき上がった映画は淡々と事実を延々と映し出していました。

 田舎の暮らしを知らない私には、日本のそれぞれの地域に根ざす、しきたりや暮らしが当たり前のようであるが大変さと良さを知りました。この映画にも出てくる三浦さき子さんが、以前、被災地の仮設住宅を訪れた時に語っていた言葉が忘れられません。それは「自分たちは海の恵み、自然の恵みの中で暮らしています。度重なる津波や自然災害に先祖代々立ち向かわなければならなかったけど、やはり海や自然に感謝し、ここで暮らし続けていきたい」と。何回でお同じ目に合いながらも、その土地を離れないで暮すことを当たり前としている姿でした。

 多分、南三陸だけでなく、先祖伝来の土地を大切にしている人はたくさんいらっしゃる筈です。
 波田谷の暮らしの震災前の映像は貴重な記録ともいえます。NHKドキュメンタリー番組のように、感動させるようなストーリーがあるわけでもありません。監督が淡々とカメラを回し続け、村の人たちと会話をしながら真実を伝えます。見る人によってその受け止め方はまちまちです。長すぎて退屈という人もいるし、真実が伝わりジンと来たと言う人もいます。たまたま波田谷に行ったことのある者にとっては、それぞれの人のその後を思い、胸に響くものがあります。

 南三陸では、震災後、漁船の多くが流されてしまい、漁業が危ぶまれた時に、共同で漁業を再開しました。残った漁船を差し出し、皆で漁をして取れた魚を漁協が買取り、漁師さんたちは数年間、漁協から月給をもらう仕組みに切り替えられました。幸いに漁船が残った漁師の家でも月給をもらう立場になり、たくさん獲れても同じ給料しかはいらないので、やり甲斐がないとこっそりと打ち明けた奥さんもいました。しかし、多くの人がこの仕組みで助かったのだから、文句は言えないしと言ってました。いち早くそういった体制に切り替えられたのも、それまであった契約講での経験なのだろうと、映画を見ながら思いました。

 三浦さき子さんも自宅の果樹園を仮設住宅用地として差し出しています。漁船を提供した人も、土地を提供する人も、いろいろな生活があり、今もこれからも助け合って生きていく土地だということを思いました。画面では淡々と何でもないようですが、いろいろな苦悩や葛藤、多くのしがらみと助け合いなどと折り合いをつけながら生き、これからもそうして行くのでしょう。見る人、受け止める人によって、いろいろな見方ができるいい記録ドキュメンタリーでした。見る人の想像力と感性でこの映画の善し悪しを評価できるのような気がしました。

 多くの人の支えの中で、我妻監督も恐らく葛藤しながら、当初は思いもよらなかった形の記録になったのではないでしょうか。こういう時にたまたまいた我妻監督も関わった人たちも何かのご縁なのかもしれません。偶然の出会いも、後から考えると必然だったのか、人の運命みたいなものを感じます。我妻監督は南三陸の人びととの関わりから、きっと、人間的に大きなものを得たのではないかと思いました。(杉本記)

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南三陸のドキュメンタリー映画『波田谷に生きる人びと』が上映中です。民族学の研究のために震災前から波田谷に通っていたのがこの映画の監督です。震災前の暮らしで、ほとんどが震災前の記録です。震災後、監督は辛くて欝になったとのことですが、それを乗り越えて映画を完成させたと聞きました。南三陸を知っている人にとっては、何かを感じるものがあります。(上映は東中野ポレポレは21日まで、他はネットで検索して下さい)(2015/08/13)

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